伊調馨選手(女子レスリング)が栄和人監督(至学館大学レスリング部の監督と全日本女子レスリングヘッドコーチを兼任)からパワハラを受けていたと告発された問題がようやく解決に向けて動き始めたようです。
当初、文春からのスクープ報道があったときには、ろくに調査もせず真っ向からパワハラ行為を否定するなど、レスリング協会の体質にも問題が広がりました。
しかしながらレスリング協会が第三者の聞き取り調査を実施、内閣府からも調査がはいったことでようやく真実が見えてきたようです。
文春のスクープから約1ヶ月。
この1ヶ月の動き、そしてこのあとこの騒動はどう沈静化するのか、させるのか情報を整理してみました。
早速行ってみましょう。
目次(コンテンツ)↓↓
- 問題の経緯まとめ
- 聞き取り調査の報告詳細
- 今後の展開はどうなるのか
- 登場人物整理
- 問題の背景となった話
- 最後に
問題の経緯まとめ
まずはおさらいから。
今回の告発の経緯は以下です。
2008年に伊調さんが五輪連覇を達成し、姉の千春さんとともに、一度は現役引退も示唆してカナダへ留学します。
そして現役復帰を目指して練習を開始します。
でも帰国後は練習拠点を栄さんのいる愛知県大府市の至学館大に戻らずに東京へと移ってしまいます。
栄さんのもとから東京へ。
以前の練習場所=至学館大
新しい練習場所=東京
この件から栄さんの怒りを買いパワハラがスタートしたというのです。
そして東京に拠点を移した後、伊調さんは近隣の大学や自衛隊への出稽古のほか、男子の合宿にも参加するようになります。
そのときの男子の強化スタッフの田南部力コーチに指導を受けるようになるんですね。
以前のコーチ=栄コーチ
新しいコーチ=田南部コーチ
そんな状況でも、伊調さんは12年ロンドン五輪で3連覇を達成してしまうので、さらに栄さんはご立腹したということです。
自分のところから飛び出し、別のコーチのところで技を磨き、さらに成功を納めたというのが妬ましかったんですかね。
そしてこのロンドン五輪後にパワハラがエスカレートする事態が発生してしまったようです。
なんと栄さんが女子だけでなく、レスリングすべてを統括する強化本部長に就任してしまうのです。
そして栄さんから
1.伊調が男子の全日本合宿に参加することを禁じる
2.田南部氏が指導拠点としていた警視庁への出入りも禁止
という命令が出されたというのです。
これではまともに練習なんてできないですよね。
また女子選手の代表合宿に参加した伊調選手に対し、栄監督が「俺の前でよくレスリングができるな」と発言したなど、複数のパワハラと思われるような行為があったと報道がされています。
このような告発内容に関して、栄監督、日本レスリング協会は真っ向から否定をしています。
栄監督
「パワハラをした覚えはない」
「ただ伊調が自分の好きなことをする(練習場所や別のコーチを選ぶ)のは勝手だが、チームの和を乱すようなことはするなとは言った覚えがある」
「田南部コーチが男子の指導もせずに伊調の指導ばかりするので、そのことについて注意をした」
協会のコメント
「練習場への出入り禁止についての事実はない」
「田南部コーチに男子の指導がおろそかにならないようにという注意はあったが、不当な圧力はかけていない」
これまでの経緯は次のような流れでした。長いです(笑)
1/18 パワハラ被害を訴える告発状が出される
2/28 文春がパワハラ被害をスクープ報道
3/1 栄監督はパワハラを否定
3/1 日本レスリング協会はパワハラを否定
3/2 伊調馨は告発状には一切関わっていないとコメント
3/2 警視庁は出入り禁止はしていないとコメント
3/2 週明けに日本レスリング協会が栄和人、伊調馨にヒアリング予定
3/13 伊調馨さんが内閣府の聞き取り調査を受ける
3/13 田南部力さん、安達巧さんが内閣府の聞き取り調査を受ける
3/15 週刊文春で今度は栄監督のセクハラ疑惑が掲載
3/15 週刊新潮で栄監督の金銭詐取疑惑が掲載
3/15 谷岡郁子至学館理事長が記者会見で大炎上
3/19 谷岡郁子至学館理事長が至学館の卒業式の式辞で大炎上
4/2 伊調馨さん日本レスリング協会の第三者の聞き取り調査実施
4/5 日本レスリング協会の第三者の弁護士報告書提出
詳細はこちらの記事を御覧ください。
栄和人(文春パワハラ告発)真相・原因は?伊調馨正式コメントと食い違う言い分。
栄監督パワハラ問題、レスリング協会の対応・体質に批判殺到で炎上
そして今回、日本レスリング協会の第三者の弁護士が伊調馨さんの聞き取り調査を終え、その調査報告書を提出したとの報道がありました。
聞き取り調査は、騒動の沈静化のために日本レスリング協会がおこなったものですが、以下のような内容でした。
・ヒアリングは第三者の弁護士が実施
・関係者全員(栄和人、田南部力、伊調馨、警視庁の担当者)が対象
・ヒアリング結果を倫理委員会がまとめる
・まとめた結果を日本レスリング協会に報告
今回ようやくその結果が報告されたということです。
その内容は、日本レスリング協会が否定をしていたパワハラ行為について、複数のパワハラ行為と認定される行為があったという内容だということがわかりました。
つまり
伊調馨選手へのパワハラ行為は事実
だったということです。
次のページでは、報告の詳細、今後の展開や騒動の背景に迫ります!