新型コロナウィルスが猛威を奮っています。

政府からも大型のイベントについては中止か延期、規模を小さくしての開催を推奨するという報道がありました。
政府のコロナへの対応は、水際で食い止めるという方針ではなく、日本国中にもはや蔓延することが前提の対応方針へと変化していっているようです。

そうした中で、ニュースやtwitterなどでは新型コロナウィルスへの感染が疑われるケースなのに、検査をしてくれない、医療機関をたらい回しにされているといったことが起きているという報告や報道がされています。

一体なぜなのでしょうか?
政府はなぜ検査体制を増強し、希望する必要な人にコロナウィルスの検査を受けさせようとしないのでしょうか?

専門家の意見を集めてみました。

 

早速行ってみましょう。

コロナウィルスへの政府の対応方針

現在、日本政府から出されているコロナウィルスへの対応方針のうち、検査に関する対応は以下のとおりです。

こちらは厚生労働省から発表された国民へのお願いからの抜粋です。

この1~2週間の動向が、国内で急速に感染が拡大するかどうかの瀬戸際であると考えています。そのため、我々市民がそれぞれできることを実践していかねばなりません。
 特に、風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。ただし、以下のような場合には、決して我慢することなく、直ちに都道府県に設置されている「帰国者・接触者相談センター」にご相談下さい。

●風邪の症状や37.5°C以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
●強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
 ※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00006.html

このお願いがわかりにくいので解説します。

病院や各医療施設でもこの指針に則ってコロナウィルスの対策、対応がおこなわれていますので、

風邪っぽい

熱っぽい

という理由で普通に病院にいって、コロナウィルスの検査をしてほしいといっても、検査は実施できないということです。

検査を受ける前提としては、

●風邪の症状や37.5°C以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
●強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
 ※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

になります。

それ以外の方は、自宅でおとなしくしていてということなんです。

えええぇ!!どうして!!!

おいおい、ふざけんなよ!!

と思われる方も多いですよね。

落ち着いてください。順に説明をしたいと思います。

新型コロナウィルスは重篤化しにくい

毎日のように報道されているので、新型のコロナウィルスがとても危険な怖い病気と考える人もとても多いです。

そのため、ちょっと調子悪い、熱っぽいという症状がでたら、真っ先にコロナウィルスのことを考えて、すぐにでも検査してほしいと思いますよね。

インフルエンザでもそうです。

病院に行くと、ちょっとでも熱が高いと、すぐにインフルエンザの検査をおこないますよね。

なぜインフルエンザはすぐに検査をするのに、コロナウィルスは検査をしないのでしょうか?

まず第一に、インフルエンザには治療薬があり、コロナウィルスには治療薬がないという問題があります。

インフルエンザの場合には、タミフルやイナビルといった治療薬がありますので、検査の結果、陽性と判断されればその薬を処方することができるのです。

ですが新型コロナウィルスの場合には、その治療薬がありません

そのため、仮に陽性と判断された場合には、治療薬がありませんので、現在できる医療行為、効果のある対応を全力でおこない、患者の生命を維持することをするわけです。

入院させ、生命の維持に必要な装置(各種診断装置や人工呼吸器など)をその人に与えるわけですね。

ですが、そのような高度な医療装置は数が限られてしまいます。

そのため、本当に生命の危機にある人にその装置を届けられるように比較的軽症な人には自力で直してもらうしかないということなんです。

というのも、実は新型コロナウィルスは若い人の場合、ほぼ皆さん軽症ですぐに回復されていることがデータからわかってきています。


出典:https://www.afpbb.com/articles/-/3269026

こちらのグラフがコロナウィルスによる患者の年齢別の死亡率となります。

年齢が高くなるとその危険性は高いのですが、40代以下の若い方の場合には、死亡率は0.5%以下となっています。

39歳以下の患者の致死率は0.2%。
40代は0.4%、50代は1.3%、60代は3.6%、70代は8.0%と年齢が高くなると致死率が高まっていく様子がわかります。

また、平均すると男性の致死率は2.8%で、女性の1.7%だそうです。

新型コロナウイルスによる全体の致死率は2.3%。

なぜ男性で致死率が高いのかは不明ですが、もしかすると基礎疾患が関係しているかもしれません。

死亡した患者を調べてみると以下のような基礎疾患を持っている方が多いことがわかっているのです。

基礎疾患がある人で致死率が最も高いのは心疾患の人で、次に糖尿病、慢性呼吸器疾患、高血圧となっているそうです。

こういった基礎疾患がある方の割合がもしかすると男性の方が多いのかもしれません。

つまり新型のコロナウィルスは

年齢が高く

心臓病や喘息、糖尿病などの基礎疾患がある

方に感染すると非常に怖い病気。

ということなんです。

そのためこういった重篤化しそうな患者さんをしっかりと医療できるようにしたいわけです。

ですが、重篤化しそうにない方も含めて大量に病院に押しかけてしまうと医療がパンクしてしまいます。

そのため、比較的軽症な人は自宅療養してくださいということが政府からお願いされているわけなのです。

そして、検査についてもこういった方々のために行うべきで

・若くて

・基礎疾患がない

人には積極的には行わないという方針のようです。

なぜかというと?

実は新型コロナウィルスの検査ができる量が限られているからなのです。

新型コロナウィルスの検査は1日3000件がキャパ

インフルエンザの場合、病院に行くとすぐにインフルエンザの検査を実施して陽性ならインフルエンザの特効薬を処方してくれますが、新型コロナウィルスの場合には、なかなか検査をしてくれないのですが、なぜなのでしょうか?

ひとつには特効薬がないというのもありますが、もうひとつには簡易検査キットがないという問題があるんです。

つまり、小さな町医者でも確認できるような検査キットがないんです。

現在新型コロナウィルスの検査をおこなうには、PCR検査という検査をおこなう必要があるのですが、このPCR検査というのは遺伝子検査なんです。

疑いのある患者から体液を採取し、その遺伝子を解析して、コロナウィルスであることを突き止めるということが必要なのです。

すでにこの説明だけで、その検査が町医者ではできなさそうだなということがわかりますよね。

実はこの検査ができるところは日本では限られています。

検査ができるのは、国立感染症研究所や検疫所、地方衛生研究所、民間検査会社や大学などと非常に限られた施設のみなのです。

そのため一日で検査できる量はたったの3000件を超えるくらいの量なんだそうです。

さきほどもあげたように、年齢が高く、基礎疾患があるような重篤化しそうな方がコロナウィルスに感染した場合には一刻も早く、治療をおこなう必要があります。

ですのでそういった方が新型コロナウィルスに感染しているかどうかを判断するための検査が順番待ちにならないように、ある程度余裕を持って開けておかないとならないわけです。

ですから

若い

基礎疾患がない

方の検査については、やはり消極的にしないとならないというのは理解しないとならないかなと考えてしまいます。

現在、検査ができる施設を増やすことや、町医者でも検査ができるような簡易検査キットの開発をおこなっているようですが、これらがすぐにはできないということを考えると、現在の政府の対応はしょうがないのではないかと一定の理解ができるのではないでしょうか?

ですが、新型コロナウィルス感染の疑いがある人を検査して、新型コロナウィルスかどうかわからないと、たとえば若い人なんかは、ちょっとした熱くらいでは普通にいろいろな場所にでかけていって、ウィルスを撒き散らしてしまうのではないかという心配もあります。

ですが、その若い方の検査を実施してしまい、本当に重篤化しそうな、まず優先的に治療すべき基礎疾患のある方の治療が遅れてしまうとと考えるとやはり検査方針としては、比較的軽症な方は自力でなんとかしてもらうしかないような気がします。

・若く基礎疾患がない人は軽症で済む

・検査するためのキャパが小さい

というこの状況下では、やむを得ない判断ではないでしょうか?

厚生労働省からも以下のようなお願いがされています。

 PCR検査は、現状では、新型コロナウイルスを検出できる唯一の検査法であり、必要とされる場合に適切に実施する必要があります。
 国内で感染が進行している現在、感染症を予防する政策の観点からは、全ての人にPCR検査をすることは、このウイルスの対策として有効ではありません。また、既に産官学が懸命に努力していますが、設備や人員の制約のため、全ての人にPCR検査をすることはできません。急激な感染拡大に備え、限られたPCR検査の資源を、重症化のおそれがある方の検査のために集中させる必要があると考えます。
 なお、迅速診断キットの開発も、現在、鋭意、進められています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00006.html

そして、もうひとつ政府の対応としては大きな対応方針の変更があったと考えられます。

拡大防止から医療崩壊を防ぐへ

今回の政府の指針の発表や現在の状況を見ると、日本の医療体制がかなり後手後手になっている感じは否めません。

そして日々全国で患者が増えていっている状況です。

この状況はもはやクルーズ船が日本に来たときの、なんとか水際で食い止めるぞという状況ではないということがわかります。

新たに出てくる患者の中には、感染ルートが不明な方も多数いるのです。

つまりもうすでに新型コロナウィルスは日本全国に蔓延してしまっているという状況なのです。

このような状況で、政府としては、もう

新型コロナウィルスの感染拡大は抑えられない

必要な医療を必要な患者に行き渡らせるための対策が必要

という方向に舵を切っているのだという理解をしたほうが良いと思います。

当然、感染拡大を必要以上に広げないような努力は、これからも必要でしょう。

そのため政府は大型のイベントなどは中止すべきという指針も発表しました。

Jリーグも2週間分の試合を延期することを発表しています。

厚生労働省からのお願いにもこう記されています。

このウイルスの特徴上、一人一人の感染を完全に防止することは不可能です。
 ただし、感染の拡大のスピードを抑制することは可能だと考えられます。そのためには、これから1-2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となります。仮に感染の拡大が急速に進むと、患者数の爆発的な増加、医療従事者への感染リスクの増大、医療提供体制の破綻が起こりかねず、社会・経済活動の混乱なども深刻化する恐れがあります。
 これからとるべき対策の最大の目標は、感染の拡大のスピードを抑制し、可能な限り重症者の発生と死亡数を減らすことです。

新型コロナウィルスの蔓延を防止することはできない、あとできるのはスピードのコントロールだけだと言っています。

そして感染した患者の死亡率を下げることが今最大の努力ポイントなのだと。

どこにウィルスがあるかわからない以上、外出禁止令を出すことでしか、ウィルスの隔離はできないわけですから、そういった行動制限、移動制限を日本政府が積極的に出せない以上は、すべての国民に感染のリスクがあるという状況だと理解するしかないでしょう。

お前ら、覚悟しとけよと、政府は言っている、そう理解するべきでしょう。

最後に

 
このような状況下で、私達にできることは限られています。

・外出を控えて、手洗い、消毒を徹底する

・こまめに体調の確認をおこない、家族や周りに感染を広げないよう注意する

・近親者に高齢の方や基礎疾患がある方がいる場合には、発熱や風邪の初期症状に注意し、必要であればすぐに最適な医療機関を頼る

皆さんの周りにも、高齢の方や基礎疾患をお持ちの方がいるでしょう。

そういった人たちの命を守るために、パニックにならず、政府を無闇矢鱈に批判せず、ウィルスに負けないよう上記の対策を積極的におこないましょう。
そしてこういった正しい情報をぜひ多くの人に伝えていきましょう。

 

最後までご覧いただき本当にありがとうございました。

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