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バグダッド日誌(7月4日)
バグダッド日誌(7月4日)
・バグダッド連絡班の微妙な緊張感解消!(食べ物のうらみは恐ろしい?後日談)
日本やサマーワから送って頂いた日本食の残りが少なくなり、微妙な緊張感がバグダッド連絡班内に生じ始めていることを先日紹介した。
ところが思ってもみない朗報が●●●からもたらされた。
日本隊のコンテナがあるキャンプ・ヴィクトリーに隣接するキャンプ・リバティーのPXに日本のカップ麺(カップ・ラーメ ンのラベルも日本語)が販売されているのを●●●が発見してきた。
種類は日本でもおなじみのチキン・ラーメンやどん兵衛など5~6種類あり、値段も1.5~2ドルぐらいで値段も日本で購入するのとさほど変わらない。
アメリカ製のあまり美味しくないカップ麺は30~50セントで販売しているのに比べると割高感はあるが、米兵の間でも人気で飛ぶように売れていると●●●が興奮気味に報告する。
たかがカップ麺ぐらいのことで騒ぐ必要はないのだが、今まで生じていた緊張感は、単にバグダッド連絡班が食いしん坊で、やや食べ物に固執してしまう特性から生じていたものと思われる。
これで我々バグダッド連絡班内の日本食に対する緊張感が一気に解消し「鉄の団結」も盤石である。
出典:https://www.asahicom.jp/news/esi/ichikijiatesi/iraq-nippo-list/20180416/370/060704.pdf
カップラーメンがイラクでも売っていたんですねー。
そして価格が結構安い。
日本と変わらないくらいですよね。
でもカップラーメンで大喜びしながら、命がけで働いていたなんてちょっと気の毒ですよね。
もし次回があるならちゃんと日本の食材をもっと沢山持たせてあげてほしいですね。
バグダッド日誌(7月8日)
電話番というのがあるのですかね。
そんな電話番の方々の日常について書かれています。
こんな仕事内容なかなか知る機会がないですよね。
バグダッド日誌(7月8日)
・早朝の電話
ここ4日ほど連続して朝3時頃に電話がかかってきた。
しかも呼び出し音の鳴っている回数が5~6回ぐらいしかなく、 受話器を取ろうとした瞬間に電話が切れ、誰が掛けてきたのか分からない。
派遣間・無休・24時間対応を自負しているバグダッド連絡班にとって、電話にでられないことは痛恨の極みである。
ところで東京から掛かってくる電話は、緊急を要するものでないかぎり、我々が起床する朝6時以降(日本の朝11時以降)にしか掛けないように気を遣ってくれている。
従って朝3時頃の電話は、緊急事態がサマーワで発生したものと 感じ緊張して構えてしまう。
●●●と私は、全ての通信機のある日本隊コンテナで夜起きしているため、電話が鳴る たびに寝床からゼンマイ仕掛けの人形のように飛び起きて、競争するように受話器に向かう。
電話をとろうとした瞬間に切れてしまい、受話器を恨めしそうに眺めてから、二人で顔を見合わせている。
その後は緊急の電話が掛かってくるのではと興奮して眠れず、神経をとがらせている。
この朝3時の電話の掛け主は、せめて10回呼び出し音を鳴らすまで、待って欲しいと願っている。
出典:https://www.asahicom.jp/news/esi/ichikijiatesi/iraq-nippo-list/20180416/370/060708.pdf
バグダッド日誌(7月18日)
これはバグダッド日誌の最後の日誌です。
平和の尊さと、自衛官の方々の思いを知ることができます。ちょっと感動です。
バグダッド日誌(7月18日)
・平和の尊さ(5次バグダッド連絡斑日誌 最終回)
まもなく、ここバグダッドを離れクウェートに移動する。
今の心境は「与えられた任務をできるだけ高い精度で達成できるよう、編成が解組される一瞬まで追い求め、イラク復興支援群全員で隊旗を無事に返還したい。」その一心である。
そして今回の任務を大過なく達成することができたなら、心静かに国防任務のための精進に努力したい。
半年もの長い間、統幕・陸幕・情報本部から支えられ、サマーワ・クウェート・空自そしてコアリションの仲間に助けてもらい、何一つ不安に思うことはなかった。
家族には、私の好きな仕事にのみに集中させてもらい、派遣間に日本を全く心配することなく勤務させてもらった。
特に妻には、寝たきりの母の介護で大変であったろうにも拘わらず、逆にイラクのことばかり心配してくれたことを心から感謝している。
またバグダッド連絡班のすばらしい仲間に恵まれたことは、私にとって何ものにも代え難い幸運であった。
●●●が私を調子に乗せ、調子に乗りすぎた私を●●●が諫め、●●●が笑いをとって和ませ、●●●が最後の砦となって連絡班の子守をしてくれた。
もし叶うなら年に一度くらい、このメンバーでバグダッドでの勤務を酒のつまみに杯を交わすことが出来れば望外の幸せであろう。
今回の勤務を通して改めて感じることは、今回の派遣で新たに得られた教訓以上に、今まで自衛隊が努力してきたことが正しかったことを強調することができる。
世界最強の名を欲しいままにしている米軍に決して引けをとらない高い団結・規律・士気を保ちながら、視線は常にイラク国民と同じで、イラクの復興を心から願う純粋な「真心」がある。
米軍の広報担当が「サマーワの日本隊は、何故ローカル・ピープルからこんなにも支持されているのか?同じデモでも外国の軍隊に残って欲しいと陳情する自発的なデモなんて聞いたことがない。」と逆に日本隊の活動に学ぼうとしていることは、自衛隊が「心・技・体」の充実した一流の武装組織である証左であり、誇りに感じて良いと実感している。
未だ完全な復興には道半ばの首都バグダッドでの勤務を通して、祖国日本の平和の尊さを噛みしめ、今後も日本がこの平和を享受できるよう、一自衛官として努力していきたい。
派遣間のご支援どうも有り難うございました。
出典:https://www.asahicom.jp/news/esi/ichikijiatesi/iraq-nippo-list/20180416/370/060718.pdf
膨大な資料の中から、自衛隊の人たちの日常を切り取った日報ですが、イラクという特殊な場所にいるという背景を理解しながら読むからでしょうか、描かれている日常がとてもありがたい、キラキラした日常のように描かれているように思えます。
そしてだからこそ何も特別なことが書かれていないこの日報が逆に平和のありがたさを伝えてくれているような気がしますね。
最後までご覧いただき本当にありがとうございました。
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