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バグダッド日誌(6月28日)
バグダッド日誌(6月28日)
・不覚!!
キャンプ・ビクトリーに所在する各国の先任連絡官はコアリション・オペレーション・オフィスに机を与えられ、基本的にはそこで勤務しており、各国間の連絡が円滑に調整できるようなっている。
オフィスでは連絡官1人に2台のコンピューターが与えられ、2種類の米軍コンピューター・ネットワークが使用できるようになっている。
電子メール機能も充実しており米軍ネットワーク内で面白い写真を見つけるとお互いに送信しあったして楽しんでいた。
先日はアルメニア大佐が居眠しているところをデジタル・カメラで撮られてしまい、それを仲間うちにメール送信され苦笑いしていた。
連絡官の交代により、私もコアリション・オフィス内ではウクライナに次いで2番目の古株となった。
各国の新しく到着 した連絡官の相談にのってあげたりして、先輩面して存在感を示している。
ここ2日ほど忙しくほぼ徹夜であった。
移動のためのヘリ調整を米軍担当者としている時はよかったのだが、椅子に座るとすぐさま睡魔に襲われていた。
午後になってメールを確認すると「Yallow Card!」のメッセージがホスニア・ヘルツェゴビナLOから送られている。
メールを開いてみると私が「居眠りしているショットが貼付されている。
「しまった!」と思ったが後の祭りである。
メールを開いた私を見て、部屋の仲間がさも「満足」そうに「ハイ・タッチ」したりして、私を冷やかしてくる。
「コアリションに無様にも「笑いネタを提供してしまった。全くの不覚であり、海より深く反省している。
出典:https://www.asahicom.jp/news/esi/ichikijiatesi/iraq-nippo-list/20180416/370/060628.pdf
各国の兵士、隊員たちが、結構仲良く、和気あいあいと日々を過ごしていた様子が伝わってきますね。
そしてその中でも日本もちゃんと存在感をしめしていたと。
今回は失態の方でですが。。。
なんか、本当に戦争映画とかワンシーンになりそうなエピソードですね。
バグダッド日誌(6月30日)
食堂での話です。
個人的に、この日報がなんかすごい好きです。
バグダッド日誌(6月30日)
・ピーマン親爺
キャンプ・ヴィクトリーの食堂(DFAC)にはサンドイッチ・コーナーがあり、オーダーにより色々な食材を入れたサンドイッチを作って貰える。
パンだけでも4種類、ハム・ローストビーフ等の肉類や沢山の野菜を自由にオーダーでき、暑さが厳しい近頃はこのサンド・イッチをよく食べている。
このサンドイッチ・コーナーで給仕してくれるフィリピン人は、日本隊に親切で、愛想が良い。
私がイラクに着いたばかりの頃に、このサンドイッチ・コーナーでピーマンを指さしながら、「ピーマンって英語だよな?」と思いつつ「ピーマ ン・プリーズ」と自信満々にオーダーした。
すると、このフィリピン人の給仕はにっこり笑い「ピーマン、ピーマン」と嬉しそうに連呼して、オーダーに応えている。
それ以来、このフィリピン人給仕は、私がサンドイッチコーナーを利用する時は「サー・ハウ・アバウト・ピーマン?」とやたらにピーマンを盛りつけたがる。
先日、●●●が「サンドイッチ・コーナーの親爺がやたらとピーマンを食べさせたがるんですよ。」と私に漏らした。
私がいきさつを話すと、バグダッド連絡班で大爆笑した。
それ以来、このフィリピン人の給仕をバグダッド連絡班内では「ピーマン親爺」と呼んでいる。
しかしながら、ふと考えてみると、フィリピン人給仕達の間では、私のことを逆に「ピーマン親爺」と呼んでいるかも知れないと、想像しながら苦笑いしている。
因みにピーマンは英語で「ペッパー」又は「スウィート・ペッパー」と米軍人はオーダーしている。
最近は、ピーマン親父にサンドイッチを作ってもらえる日が何日残っているかを、考えると名残惜しく感じている。
出典:https://www.asahicom.jp/news/esi/ichikijiatesi/iraq-nippo-list/20180416/370/060630.pdf
ピーマン親爺の話、めちゃくちゃ面白いですね。
戦火の中でやっぱり食事の時間が一番和むというか、心が休まるひとときなんじゃないかなという気がします。
しかし文章が上手ですよね。
これ短編小説としても、秀逸な出来なんじゃないでしょうか?
なんかこういろいろ考えさせられますよね。
バグダッド日誌(7月2日)
こちらは現地での食事についての実態について書かれています。
もう本当にブログですね、ブログ。
バグダッド日誌(7月2日)
・食べ物のうらみは恐ろしい?
バグダッドでの楽しみの一つは食事であり、日本やサマーワから送って頂いた日本食は我々の心の支えなっている。
ところが最近、日本食のストックが底をつき寂しい思いをしている。
カップ・ラーメンを消費しつくし、サマーワから送って頂いた缶詰等も底をつき始めている。
レンジで温めるだけで食べることのできるご飯は、あっという間になくなった。
ところが消費しつくしたと思ったにも拘わらず、ゴミ袋に「シーフード・ヌードル」のカップが捨ててあったのを確認すると、「誰かがストックしているな?」と言葉では表せない「微妙な緊張感」が漂っている。
このような微妙な緊張感から「沢山あったゼリーはどこ行った?」「パック赤飯は一個もたべていない!」「イカの缶詰はもうないの?」等々の声も聞こえてくる。
先日素麺を5人で一気に24人前を消費したが、あと一回分は十分にあると思われた素麺つゆが自然消滅?してきて、思わず「素麺つゆを隠せ!」と指示を出してしまう自分が情けない。
日本食等をすべて配給制にして管理する程でもないし、そこは班員が5人しかいないこともあって自由に食べている。
昨日は、残りの素麺つゆを使用して、バグダッド連絡班全員で腹一杯素麺を味わった。
今回も20人前を軽く超える素麺を一気に食べ、腹一杯になり食べ物のストックに対する緊張感も霧散してしまった。
皆、かなり単純である。
食べ物ぐらいで我々バグダッド連絡班の「鉄の団結」にヒビが入ることはないが、「食べ物の恨み(執着?)は恐ろしい。」ことも事実である。
出典:https://www.asahicom.jp/news/esi/ichikijiatesi/iraq-nippo-list/20180416/370/060702.pdf
こういったら失礼かもしれませんが、もっとちゃんと食事持たせてあげてよと。。。
日本のため、イラクのために遠い国で命の危険と背中合わせな人たちが、イカの缶詰や素麺のつゆで喧嘩とかしてほしくない(笑)